AI 連携によるオリジナル怪獣の3Dプリント

January 09, 2026

クライアントの商品開発会議において、カプセルトイとして展開可能なサイズの、オリジナル・フィギュアを作れないかという話題が出ました。

Nano Banana Pro による画像生成はものすごいインパクトですが、
画像を元に 3D モデリングを行う、3D生成AI もすごい勢いで進歩しています。

そこで、2026-01 現在、AI を連携してどこまで簡単に、スピーディにオリジナル怪獣生成ができるのか、制作に挑戦してみることにしました。

今回登場する 生成AIは以下の4つです。

  1. ChatGPT – LLM
  2. Nano Banana Pro – 画像生成AI
  3. meshy.ai – 3D生成AI

作るものは、個人的な趣味で「怪獣」としました。

生成物

先に、最終成果物をご紹介します。
印刷されたのはこの2つです。

DMM Make 3D Print による印刷

https://make.dmm.com/print

Snap Maker による印刷

https://www.snapmaker.com

手順

それでは、実際に私が行った、オリジナル怪獣生成の手順を解説します。

  1. ChatGPTに怪獣のアイデアを出させてコンセプトを固め、yaml フォーマットで出力させる
  2. 生成された yaml データを元に、Nano Banana Pro に画像を生成させる
  3. 画像を基に meshy.ai に 3Dモデルを生成させる
  4. 3Dモデルを印刷する
    • DMM Make Print
    • 手元の3Dプリンター

Step 1. ChatGPTに怪獣のアイデアを出させてコンセプトを固め、yaml フォーマットで出力させる

スタートは以下のプロンプトでした。
実際にはもっともっと長いすが、重要な部分を抜粋しました。

テーマは「カプセルトイ向けの怪獣」としました。

yaml フォーマットの理由

なお、再現性を高めるために、yaml フォーマットにまとめ上げさせています。

Nano Banana Pro の言語理解能力は極めて高いですが、
それでもやはり、明確でシンプルな指示のほうが精度が出ます。

コンパクトなオリジナル怪獣を作りたい。
アイデアを出してください。
(略)
🐉 コンパクト・オリジナル怪獣アイデア集(全20案)
🔵 1. ミニマル怪獣(シンプル・丸い)

金型抜きしやすく、小ロットにも向く。
(略)
提灯あんこうのオリジナル怪獣を、定義しよう。 詳細を考えて。
「提灯あんこう × オリジナル怪獣」 を、カプセルトイ向けソフビとして成立するように、
造形・性格・能力・設定・シリーズ展開 まで、総合的に定義します。

以下は、65〜75mmカプセル対応(全高5〜7cmのミニソフビ化を想定) したプロ仕様の怪獣設定です。

🐟💡 怪獣名:チョウチンゴロ(Chōchin-goro)
■ ① コンセプト

深海に住む提灯あんこうが、地上の光にあこがれて進化した“光獣”。
丸いフォルムでソフビ映えし、カプセルサイズにも収まるデザイン。

ボディはたまご形(量産しやすい)

正面が愛嬌ある顔、背中にゆるいヒレ

頭に短めの“発光アンテナ”

塗装で光を表現しやすい(蓄光素材との相性◎)

■ ② 外見デザイン(造形詳細)
● 全体フォルム

全高:50〜65mm
横幅:45〜55mm
厚み:40〜50mm
→ 65mm/75mmカプセルに確実に入るサイズ設計。

● 頭部のチョウチン(アンテナ)

先端は 丸い光球(5〜7mm)
柔らかい角度でカーブ
長くしすぎると金型抜け悪いので 本体の半分程度の長さ に制限
光球は 別色クリアパーツ にも対応可能

● 顔

目は大きく円形(ソフビ塗装映え)
口は “への字+丸み” の可愛さ寄り
鋭い牙は避け、 3〜5本程度の丸牙 にして安全化

● 体

深海ならではの丸い突起を散らす
表面を少し“ブヨッ”とした質感に
背ビレは小さめの三角形が3つ並ぶ(ワンポイント)

● 足(またはヒレ)

足は設けず、底部分は薄いフィン形状
底面をフラット気味にして自立可能に
→ 成形も簡単で安定展示ができる

■ ③ 性格・キャラクター性

好奇心旺盛
ちょっと臆病だけど、光るものが大好き
友達と一緒にいると光が明るくなる
深海から飛び出して、街のネオンを眺めるのが夢

→ “かわいい+ほんの少し怪獣らしさ” のバランスが良い。

■ ④ 能力・設定(世界観の軸)
● 1)光属性「灯心力(とうしんりょく)」

怒ったり喜んだりで光が変化する。

通常:黄
驚き:青白く
怒り:赤
安心:ピンク

ソフビの色変え展開に使える。

● 2)「影の中をすり抜ける“灯影移動”」

自分の光の明暗を使い、影を通り抜けて瞬間移動するように見える。
ミニ怪獣なのに神秘性があり、人気が出る設定。

● 3)「仲間で光を共鳴させ、巨大な灯火を作る」

複数シリーズ展開の根拠になる設定(シリーズ化しやすい)。

■ ⑤ 公式プロフィール(商品カード用の想定)

名前:チョウチンゴロ
種族:灯海獣(とうみじゅう)
身長:0.65m(ミニ怪獣界では大きめ)
体重:4.8kg(ブヨブヨ)
性格:内気だけど光るものが大好き。好奇心旺盛。
必殺技:灯心フラッシュ、灯影移動
好きなもの:発光クラゲ、街のネオン、ホタル
苦手なもの:強い音、影が散る場所

■ ⑥ ソフビ展開案(収益化しやすいポイント)
● 1. ノーマルカラー

クリーム+蓄光の光球

● 2. 深海ブルーver.

紺色ボディ+光球クリアブルー

● 3. ネオンピンクver.

ピンク×イエローでポップ

● 4. クリア版(限定)

全身クリアにラメ入り

カプセルトイでのプレミア枠に最適

● 5. 夜光版(完全蓄光)

コレクター層に強い訴求

■ ⑦ ラインナップ展開(シリーズにできる)

チョウチンゴロ(基本種)
チョウチンゴロ・幼体(丸みが強い)
チョウチンゴロ・怒りレッド
チョウチンゴロ・眠りver.
闇属性版「ヨワゴロ」(光が弱い、影の色が濃い)

→シリーズ化前提の人気怪獣にできる。

🧩 ⑧ 次にできること

以下のどれを作成しましょうか?

チョウチンゴロの三面図(前・横・背)を生成

ソフビ成形用の“3Dモデリングガイドライン”を作る

カプセルサイズに合わせた立体寸法を決定

シリーズ怪獣(派生種)を考案

名前を変えたい場合、候補案を出す

選んでください!
気に入った方向性があればさらに深堀りして設計します。
二足歩行が重要です。 それを足して、yaml にまとめてください。
name: チョウチンゴロ
style: 着ぐるみ系ミニ怪獣
concept:
  - 提灯あんこうが二足歩行へ変異した怪獣
  - まん丸可愛い要素は残しつつ、特撮らしい「内部空間」を感じる造形
  - 胴体>頭の比率で“スーツ怪獣感”を演出
  - 手足がしっかり外へ出た、ヒト型の怪獣シルエット

size_spec:
  target_capsule_size: 75mm推奨(65mmも可)
  height: 55-70mm
  width: 45-55mm
  depth: 40-50mm
  posture: 二足歩行(やや前傾)
  silhouette:
    head_to_body_ratio: "1 : 1.3〜1.5(胴体の方が大きい)"
    stance: "着ぐるみ感のある“両脚を開いた立ち姿”"
    center_of_gravity: "やや下寄り。内部に人が入れるようなボリューム感"

design:
  head:
    shape: "やや縦長で重量感のある頭部"
    lantern_antenna:
      length: "頭部の40%"
      placement: "前寄りの中央から生える"
      motion: "少し下に垂れている。重力を感じる造形"
      tip: "大きめの丸光球"
    eyes: "やや大きめ、スーツ怪獣のマスク感を意識"
    mouth: "縦に開く着ぐるみ的な口。小さな牙を等間隔に配置"

  body:
    shape: "ドラム缶のような“円筒+丸み”の胴体"
    chest_detail: 
      - "骨格のようなパネルラインを左右非対称に"
      - "うっすら見える“内部スペース感”のある造形"
    texture: "深海魚のブヨ感+着ぐるみ的段差のミックス"

  arms:
    length: "短すぎない(胴の半分程度)"
    shape: "着ぐるみの腕のように少し外側へ張っている"
    joints:
      - "肩に円形の“スーツ関節”モールド"
      - "先端はヒレと指の中間の“丸い指”が2〜3本"

  legs:
    style: "明確な二足歩行怪獣の脚"
    shape: 
      - "太ももは肉厚で前傾したライン"
      - "膝が少し曲がった姿勢(着ぐるみ感を強調)"
    feet:
      - "幅広で自立性が高い"
      - "足首に“関節っぽい段差”"
    impression: "中に人が足を入れて動かしているような構造"

  back:
    fins: 
      count: 3
      shape: "着ぐるみで縫い付けられたような厚みのある背ビレ"
      alignment: "少しずれた左右非対称配置(リアルさ)"

abilities:
  - name: 灯心力(とうしんりょく)
    detail: "感情で光の色が変わる"
  - name: 灯影移動
    detail: "影と光の境界に溶けるように移動する"
  - name: どすこいアタック
    detail: "丸い巨体を使った抱え込みタックル"

personality:
  temperament: "臆病だが仲間思い"
  quirks:
    - "光るものを見ると前傾姿勢で“じーっ”と覗く"
    - "怖い時はお腹の中でドンドン音がする(人が入っているような演出)"
  likes: ["ネオン", "寒い場所", "クラゲ"]
  dislikes: ["乾燥", "強風"]

profile:
  height_monster_scale: "1.2m"
  weight_monster_scale: "32kg"
  habitat: "深海の縁〜港町周辺"
  special_moves: ["灯心フラッシュ", "影抜けステップ"]

sofubi_variants:
  - 着ぐるみ風マット塗装
  - 深海ブルー
  - 夜光(スーツのシワが映える)
  - クリアボディ(内部に“擬似スーツ構造”を造形)

series_expansion:
  - チョウチンゴロ・着ぐるみプロトタイプ
  - 怒りの赤ランタン版
  - 潜水服融合個体
  - 闇属性“ヨワゴロ”スーツ破損Ver.

Nano Banana Pro に画像を生成させる

以下の指示にしたがって、
写真を描いてください。
name: チョウチンゴロ
style: 着ぐるみ系ミニ怪獣
(以下略)

ださカッコキモかわいいです。

meshy.ai で 3Dモデル化する

https://www.meshy.ai/discover

meshy.ai について

meshy.ai では、

  1. Text to 3D: テキスト(自然言語)から3Dモデルを自動生成
  2. Image to 3D: 2D画像や写真から3Dモデルを生成

と、

  1. AI Texturing: 既存モデルにテクスチャをAIで付与
  2. Animation: リギング・アニメーションを適用

などの機能・サービスを提供しています。

無料プラン(Free)でも、一通りのことを体験できますが、
生成したモデルが一般公開されます。

自分専用にしたい場合には、課金が必要です。

  • Free – 無料
  • Pro – ¥3,084/月
  • Studio – ¥8,715/月
  • Enterprise – 問い合わせ

という料金体系です。

今回、モデルを公開されたくないので、Pro プランに登録しました。

今回は、画像から生成(「画像生成モデル」となっている)を選び、Nano Banana Pro 生成画像を入れます。

画像を入れて、「生成する」ボタンを押すだけです。

生成3Dモデル

1発でこのクオリティです。
進歩がすごいです。

テクスチャ生成

せっかくなので、テクスチャも生成させます。

同じ画像から生成できます。

納得の出来栄えです。

なお、カラー印刷はしないので、テクスチャ作成は今回は不要です。

印刷

DMM Make Print で印刷

まず、meshy.ai から、STL フォーマットでエクスポートします。

なお、この際に、サイズを調整する必要があります。

何も指定しないと、数メートルのスケールでエクスポートされてしまいます。

今回は、印刷速度と、レジンの精度を知りたかったので、体高 50mm にしました。

slt をアップロードすると、数分待たされた後、形状の確認画面が出ます。

この後、素材を選択して、印刷を依頼できます。

料金と納期は、素材とサイズによって大きく変わります。

チタンを選べるのはすごいですね。

今回は、「試作プロレジン」というものを選びました。

¥2,404円 となりました。

データチェック

決済を済ませると、人間による最後のチェックが行われます。

この際に、造形の問題点を洗い出してくれます。
例えば、細すぎる部分などです。

レジンの場合、1mm が目安のようです。

DMM によるデータチェックの実例

ご注文いただいた商品に関してですが、造形段階の最終確認を行った所、
厚みが薄い箇所が複数あり造形段階で破損する可能性がございますが問題ございませんでしょうか。
レジン|SLAの厚みは1.0mm程度必要です。
レジン|SLAの支えられていない線形状の部分は、1.5mm以上必要です。

素人の作ったモデルのせいで余計な仕事を増やしてしまった模様です。本当に申し訳ないです。

なお、そのまま印刷を依頼することもできます。

(更にまた別のモデルですが)実際に、指摘を受けたものの、せっかくなのでそのまま印刷してもらいました。

納品物を見たら、
離れた状態で(2つの状態で)届きました。

やはり、細すぎるとうまく整形できないようです。

納品

1週間ほどで納品されました。

この小ささで、この精度はすごいです。

また、サポート材などはカットした状態で届きます。

Snapmaker で印刷

手元の積層式3Dプリンターでも印刷してみます。

せっかくなので大きなものを印刷してみることにしました。
レジンと比較して、積層タイプは精度では劣るものの、大型・強度にメリットがあると言われています。

体高 120mm です。

印刷には21時間かかりました。

使用したフィラメントは 200g 程度でした。
金額に換算すると、300円程度のコストです。

印刷完了状態

サポート材がついたままです。また、けっこうバリが出ています。
どちらも手で取り除きます。

サポート材取り除き後

りっぱな怪獣です!

感想

アイデアを出すだけで、一気にここまでできました。

技術の進歩を感じます。

怪獣デザインのコンセプトとして、
カプセルトイ向けの怪獣フィギュアとしたので、
整形しやすいさを考えたデザインになっています。

この点は、印刷の成功率に大きく関わっていると実感します。

そして改めて、市販のフィギュア、ソフビ人形の精度の高さに驚きます。
カラーに感動します。

補足

ボツになった生成画像

yaml で生成まで達したタイミングで、一度 Nano Banana Pro に生成させてみたものです。

可愛いですが、「怪獣」感が足りない来ました。
原因を考えて、修正指示を出しました。

まん丸はかわいいが、特撮感が足りない。
手足が中に入っている人を想起させるようはフォームにしたい。
改善してください。

と指示を出して、改善しました。